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行政書士に依頼できる事とは?

  • コラム
スーツの男性と行政書士とは?何をお願いできるの?と書いている吹き出しのイラスト

行政書士とは?

行政書士と聞いてもあまり身近に感じない人も多いかと思います。そこでまず初めに、行政書士とはどんな役割があるのか簡単にご説明します。
行政書士は、行政手続きや権利関係に関する書類作成を専門とする国家資格者です。法律上の定義としては「官公署に提出する書類」「権利義務に関する書類」「事実証明に関する書類」を作成することができ、その数は1万種類以上に及ぶとされています。

現代社会では、会社を設立する、飲食店を開業する、相続の手続きを進める、外国人を雇用するなど、行政や法律に関わる手続きが日常的に発生します。しかしこれらの手続きは専門知識がないと難解で、時間や労力もかかります。そこで行政書士は「身近な法律専門家」として、依頼者に代わって正確で効率的に手続きを進める役割を担います。

1.行政書士ができる主な仕事

付箋に行政書士が出来る仕事の4項目が書かれているイラスト

(1) 官公署への提出書類の作成・提出代行

行政書士の代表的な業務です。官公署に提出する書類は多岐にわたり、許認可申請や届出に必要な要件を満たさなければ受理されません。専門家が関与することで、書類不備による再提出や手続き遅延を防ぐことができます。

具体例:
– 警察・公安関係:車庫証明、古物商許可、道路使用許可、風俗営業許可
– 保健所関係:飲食店営業許可、宿泊業・民泊の届出、食品衛生法に基づく各種許可
– 建設・運送業界:建設業許可、運送業許可、産業廃棄物収集運搬業の許可、宅地建物取引業免許
– その他:旅行業登録、自動車登録、通信関連許可など

例えば、新たに飲食店を始めたい場合には「飲食店営業許可」だけでなく、深夜営業を予定しているなら「深夜酒類提供飲食店営業の届出」、さらに音楽イベントを行うなら「風俗営業許可」が必要となるケースもあります。こうした複雑な手続きも、行政書士が一括してサポートできます。

(2) 権利義務に関する書類作成・相談・代理

私たちの生活や事業には、契約や相続など権利関係が絡む場面が数多くあります。行政書士は、これらに関する書類の作成や相談業務も行います。

具体例:
– 遺言書の作成支援、公正証書遺言の作成立会い
– 遺産分割協議書の作成、相続に関する手続き支援
– 売買契約書、賃貸借契約書、業務委託契約書などの契約書作成
– 示談書や和解書、内容証明郵便の作成
– 会社の定款作成、見直し、改定

これらの書類は「将来のトラブルを予防する」ための役割も大きく、行政書士は「予防法務の専門家」として活躍しています。

(3) 事実証明に関する書類作成・相談・代理

事実を証明するための書類作成も行政書士の業務範囲です。例えば、会社経営では議事録や財務諸表、個人では事故証明や現況証明といった書類が必要となることがあります。

具体例:
– 株主総会や取締役会の議事録
– 会計帳簿や財務諸表(貸借対照表、損益計算書など)
– 不動産関係の図面、位置図、現況測量図
– 各種証明書や調査報告書

正確な事実証明は信頼性を高め、行政手続や裁判、事業活動で大きな効力を発揮します。

(4) 法人・外国人関連の支援

行政書士は、企業活動や国際関係にも関与することができます。

– 株式会社・合同会社・NPO法人・医療法人などの設立支援
– 定款認証や見直し、会社規模に応じた定款改定
– 建設業、宅建業、運送業、旅館業などの許認可取得サポート
– 外国人の在留資格(認定・更新・変更)、永住許可、帰化申請など

企業の成長やグローバル化に合わせ、行政書士は多様な分野で活躍の場を広げています。

2. 行政書士ができない仕事(意外に知られていない制限)

スーツの男性が意外に知られていない制限と書いている文字に指差しをしているイラスト
1. 裁判・訴訟の代理
弁護士の独占業務であり、訴状や答弁書を作成することはできません。
2. 登記業務
不動産登記や商業登記は司法書士の独占業務であり、行政書士は登記申請は行えません。

2. 登記業務
不動産登記や商業登記は司法書士の独占業務であり、行政書士は登記申請は行えません。

3. 税務申告や会計監査
税務代理や申告書作成は税理士の独占業務です。

4. 社会保険・労務手続き
社会保険や労働保険の届出は社会保険労務士の業務範囲です。

5. 特許や商標の出願
特許庁への代理申請は弁理士の独占業務です。

3. 他士業との連携の重要性

握手している画像

行政書士は「手続きの専門家」でありながら、自身の業務範囲を超える案件については、弁護士・司法書士・税理士・社労士・弁理士といった他士業と連携することで、依頼者に最適な解決策を提供します。

依頼者にとって行政書士は「最初に相談する窓口」としての役割を果たし、必要に応じて適切な専門家を紹介することでワンストップのサービスを実現します。

まとめ

女性がまとめの3項目が書かれている文字を指差ししているイラスト

行政書士に依頼できる仕事は次の3本柱に整理できます。

  1. 官公署に提出する書類の作成・提出代行
  2. 権利義務に関する書類の作成・相談・代理
  3. 事実証明に関する書類の作成・相談・代理

加えて、法人設立や許認可取得、外国人の在留資格申請、相続・遺言支援など、生活やビジネスのあらゆる場面で活躍します。

一方で、裁判代理・登記・税務申告・社会保険手続き・特許出願などは行政書士の業務外であり、他士業に任せる必要があります。このように業務範囲を理解しておくことで、行政書士を「頼れる相談窓口」として有効に活用できるでしょう。

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