創業融資の「売上見込み」、どう書く?客単価・客数・営業日数から根拠を整理
- コラム

「創業計画書に、毎月の売上をいくらと書けばよいのか」。初めての融資相談では、ここで手が止まる方もいるのではないでしょうか。
目標の月商があるなら、そこに届くかを、単価・人数・日数などの小さな数字に分けて確かめてみましょう。今回は店舗を開くケースを例に、売上の計算と、その前提を説明する準備を整理します。
まずは「月商100万円」を3つに分解する
店舗型の事業なら、客単価×1日あたりの購入客数×月の営業日数が、売上を考える一つの出発点になります。下の表は考え方を示すための架空例で、融資の審査基準や実際の支援案件ではありません。
客単価2,000円、購入客数20人、営業日数25日なら月商100万円です。ただし、掛け算が合っているだけでは、各数字の現実性までは説明できません。
日本政策金融公庫の「創業の手引」でも、業種に応じた予測方法と地域事情を踏まえる考え方が示されています。
月商の試算例|すべて仮の数字です
| 項目 | 基本の試算 | 客数が少ない場合 |
|---|---|---|
| 客単価 | 2,000円 | 2,000円 |
| 購入客数/日 | 20人 | 14人 |
| 営業日数/月 | 25日 | 25日 |
| 月の売上見込み | 100万円 | 70万円 |
その「20人」は、どこから来る予定ですか
計画書には、数字ごとに理由を一言添えてみてください。客単価なら価格表と売れそうな商品の組合せ、客数なら出店場所の調査や試験販売の結果、営業日数なら定休日・仕入れ・準備作業を含む営業予定が材料になります。
通行人やSNSのフォロワーの人数を、そのまま購入客数に置き換えないことも大切です。例えば試験販売では、実施日、場所、価格、購入人数を記録し、本店舗と条件が違う部分も説明します。
予約や商談は、確定した注文と検討中のものを分けて整理しましょう。これらは当事務所が提案する整理の例で、金融機関が一律に指定する必須資料ではありません。
開業直後から、毎日同じ客数にしない
最初の月から認知やリピーターが十分にあるとは限りません。開業当初と軌道に乗った後を分け、平日と休日、繁忙期と閑散期など、違いが大きい部分を見直します。
日本政策金融公庫のセルフチェックにも、創業当初と軌道に乗った後の収支を分けた記入例があります。予約制のサービス業なら、営業時間と1件の所要時間から対応できる上限も確認してください。
人手や席数で対応できる件数を超えて、売上を積み上げないようにします。法人向けの受託業務なら「案件単価×受注件数」など、自社の売り方に合う式へ置き換えましょう。
月商が70万円だったら、手元のお金は足りるか
架空例で購入客数だけを20人から14人へ下げると、月商は70万円になります。この差の30万円が、そのまま利益の減少額になるわけではありません。
売上に応じて変わる仕入れ等と、家賃など毎月かかる費用を分けて計算する必要があります。さらに、利益が出ても入金より支払いが先なら資金が足りなくなる場合があります。
借入元金の返済は経費とは別の現金支出として、税金や、個人事業なら家計への支出も含め、月末残高を確認しましょう。法人では役員報酬など会社からの支出を整理し、家計とは分けて考えます。
何か月分の備えが必要かは事業ごとに異なります。売上が少ない期間を想定し、手元資金が不足する時期と金額を早めに把握することが、融資額を検討する材料になります。
当事務所へのご相談は、計画書が完成していなくても大丈夫
まずは、商品・サービスの内容、価格の案、想定するお客様、開業予定時期、売上の試算を一枚にまとめてみましょう。まだ調べていない数字には「要確認」と書いておくと、次に何を調べるかが明確になります。
沖縄での創業融資は、沖縄振興開発金融公庫の本・支店でも相談できます。本記事の日本政策金融公庫の資料は、売上計画の考え方の参考として紹介しています。
実際の申込書式や必要資料は、利用する金融機関で確認してください。本記事は売上計画の一般的な整理方法です。
特定の数値や書き方で融資が決まるものではなく、融資の可否・条件は金融機関の審査によります。
売上計画を整理する3ステップ
- 1売り方を決める商品・価格・対象のお客様を整理する。
- 2計算式と根拠を並べる単価・客数・日数と、調べた資料を対応させる。
- 3開業当初と下振れを試す利益だけでなく、月ごとの入出金まで確認する。
相談前に、状況を一緒に整理しましょう
かりゆし法務事務所では、事業資金の調達に関する支援経験を踏まえ、創業計画や資金計画の整理をご相談いただけます。「売上の根拠をどうまとめればよいか」という段階から、開業予定時期と事業内容を添えてお問い合わせください。
融資の実行を保証するものではありません。
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