個人事業主でも建設業許可は取れる?資格・前職の経験・法人化のタイミングを解説
- コラム
「個人で建設業を営んでいるけれど、建設業許可は申請できる?」
「国家資格を持っていない場合や、独立前の経験しかない場合はどうなる?」
建設業許可の取得を考えたとき、こうした疑問をお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
建設業許可は、個人事業主でも取得できます。株式会社や合同会社を設立していることが必須条件ではありません。ただし、個人であっても、経営体制や技術者、財産的基礎などの許可要件を満たす必要があります。国土交通省「許可の要件」
今回は、個人事業主の方が申請を検討する際に知っておきたいポイントを、主に一般建設業許可を前提としてご紹介します。

個人事業主が建設業許可を取得するための要件
個人事業主が申請する場合、まず確認したいのは、これまでの経歴と現在の事業体制です。経営業務の管理を担う方や、営業所に配置する「営業所技術者等」が、それぞれ必要な要件を満たしているかを確認します。
このほか、財産的基礎、加入義務のある社会保険への加入、誠実性、欠格要件に該当しないことなども審査されます。「個人だから難しい」と諦める前に、どの要件を満たし、何を準備する必要があるのかを整理することが大切です。国土交通省「許可の要件」
国家資格がなくても、取得できる場合があります。
一般建設業許可では、営業所技術者の要件を、資格ではなく実務経験によって満たす方法があります。代表的なのは、申請する業種の建設工事について、10年以上の実務経験がある場合です。また、指定学科を卒業している場合には、大学卒業後3年以上、高校卒業後5年以上などの実務経験で要件を満たせることがあります。神奈川県「建設業許可の制度について」
ただし、建設業界で働いていた年数が、そのまますべて認められるわけではありません。申請する工事の種類と、実際に担当していた仕事の内容を照らし合わせて判断します。
事業主本人が技術者の要件を満たしていなくても、要件を満たす従業員を営業所技術者として配置する方法もあります。その場合も、常勤性や専任性などの確認が必要です。国土交通省「許可の要件」
前職での経験も、申請に使える可能性があります。
独立後の経験だけでなく、以前勤めていた建設会社での経験も対象になり得ます。ここで押さえたいのは、「工事の実務経験」と「経営に関する経験」を分けて考えることです。

工事の実務経験については、前職で申請対象の工事に従事していた期間を、独立後の経験と合わせて確認できる場合があります。ただし、在籍していたことに加え、対象となる工事に携わっていたことを証明する必要があります。確認資料には、実務経験証明書、工事請負契約書、請求書、在籍期間を確認できる資料などがあり、必要書類は申請先や証明方法によって異なります。神奈川県「許可要件等の確認資料」
一方、経営に関する要件では、前職で建設会社の役員などとして経営業務を管理していた経験が検討対象になります。現場で長年働いていた経験だけで、経営に関する要件も満たせるとは限りません。当時の役職、権限、担当業務まで確認することが必要です。国土交通省「建設業許可事務ガイドライン」
前職の資料が必要になる場合は、退職した会社への確認や資料収集に時間がかかることも考えられます。申請を検討し始めた段階で、手元にどのような資料が残っているか確認しておきましょう。
将来法人化する予定なら、会社設立後の申請も視野に入れましょう。
近いうちに株式会社や合同会社を設立する予定がある場合は、法人化してから建設業許可を申請する方法も検討する価値があります。

個人で取得した許可は、会社を設立しただけで自動的に法人へ移るものではありません。個人と法人は別の事業主体であるため、許可をどう引き継ぐかについて手続きが必要になります。
現在は、事業譲渡についてあらかじめ認可を受けることで、個人から法人へ建設業者としての地位を承継できる制度があります。ただし、承継する法人も許可要件を満たす必要があり、事業譲渡の効力発生前に認可を受けるための準備が欠かせません。大阪府「建設業許可の事業承継等に係る認可申請の手引き」
こうした手続きを踏まえると、法人化の時期が近く、許可取得を急ぐ事情がなければ、先に会社を設立してから申請することで、手続きや費用の重複を抑えられる可能性があります。
一方、受注予定などから早急に許可が必要な場合には、個人での取得を先に進める判断もあります。「いつ法人化するか」と「いつまでに許可が必要か」を一緒に考えることが大切です。会社設立も検討中の方は、会社・法人設立のサポートをご覧ください。
沖縄県での申請費用とサポート料金
当事務所の建設業許可申請サポート料金は、次のとおりです。
| ご依頼内容 | 報酬額(税込) |
|---|---|
| 新規申請 | 165,000円〜 |
| 更新申請 | 88,000円〜 |
| 業種追加 | 66,000円〜 |
| 変更届 | 33,000円〜 |
一般建設業・知事許可を基準とした料金で、法定費用は別途必要です。資料の取得代行には別途手数料が生じ、県内離島・県外への出張については、必要に応じて出張費をご相談する場合があります。当事務所「各種許認可申請」
例えば、沖縄県知事の一般建設業許可を新規申請する場合、県に納める申請手数料は90,000円です。当事務所の新規申請報酬と合わせると、255,000円〜が目安となり、資料取得などの費用が別途加わる場合があります。沖縄県「建設業許可の申請手続き」
行政書士かりゆし法務事務所では、許可要件の確認から、申請書類の作成、添付書類の収集サポート、提出まで対応しています。当事務所のサポート内容
「資格はないけれど、これまでの経験で申請できるか知りたい」「前職の経験を使えるか確認したい」「法人化と許可申請の順番を相談したい」という方は、これまでの仕事内容や今後の事業計画をお聞かせください。現在の状況に合った申請方法を、一緒に整理していきましょう。