法務局から遺言書を返してもらえば無効になる?「保管の撤回」の意味と手続
- コラム

法務局に預けた自筆証書遺言を見直したいとき、「返してもらえば前の内容は取り消せる」と考えてしまうことがあります。しかし、保管をやめる手続と、遺言の効力に関する判断は別です。
何を変更したいのかを整理してから進めましょう。
撤回するのは、法務局への保管の申請
法務省は、保管の申請の撤回は遺言の効力とは関係がないと説明しています。原本を自宅で保管し直したい場合と、財産を渡す相手や配分を変えたい場合では、目的が異なります。
「返還を受ける」「内容を見直す」「見直した遺言書を保管する」を別々の作業として考えると整理しやすくなります。
似ている言葉を区別
| したいこと | 確認すること |
|---|---|
| 法務局の保管をやめたい | 本人が原本保管先で撤回・返還手続 |
| 遺言の内容を変えたい | 返還だけでは完了しない。遺言内容と方式を検討 |
| 新しい遺言書を預けたい | 別途、保管申請の準備・手数料等を確認 |
原本を保管している法務局で、本人が手続する
保管の申請の撤回を行えるのは、遺言者本人です。窓口は原本を保管している遺言書保管所に限られます。
引越し先の最寄りの法務局で必ず返してもらえるわけではないため、保管証で原本の保管先を確認し、予約をしてから出向きましょう。
返還前に、その後の取扱いを決めておく
内容を見直すなら、今の希望、対象となる財産、関係する人をメモにしておくと相談が進めやすくなります。返還された原本をどう扱うか、新しい遺言書をどう作るかは、遺言全体への影響を確認して決めてください。
取り急ぎ返してもらっただけで『変更は済んだ』と考えないことが大切です。
当日の持ち物と予約を確認する
法務省の案内では、撤回書と有効な顔写真付き公的身分証明書を持参します。保管後に氏名や住所などが変わり、変更の届出が済んでいない場合には、その変更を証する書面も必要です。
保管の申請の撤回自体の手数料は不要ですが、再度保管する場合は別の申請となります。持ち物は予約先の最新案内で確認しましょう。
準備の順番を、ひと目で
- 1変更したい目的を整理保管先だけか、遺言の内容も変えるかを分けます。
- 2保管証と原本の所在を確認原本を保管する遺言書保管所に予約します。
- 3返還後の取扱いまで準備内容の見直しと再保管の予定を一緒に検討します。
相談前に、計画を一緒に整理しましょう
遺言書の見直しをご希望の方は、現在の遺言書の内容と、変えたい点を整理してご相談ください。当事務所では書類作成に向けた整理を支援します。
効力をめぐる紛争や争いがある場合は、弁護士など適切な専門家との対応が必要です。
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